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キレない子になる睡眠


眠りはただ休息している状態ではなく、心身のメンテナンスが行われており、子供の成長に睡眠は欠かすことができない。

日本の子どもの睡眠時間は国際的に比較して顕著に短い傾向にあり,睡眠の問題は 学力低下だけでなく,多様な心身の発達困難を引き起こしている。

幼児や学童では(眠気を)だるい,疲れやすいといった自覚症状や,なまけている,ぼんやりしている,いらいら する,怒りっぽい,注意力がない,落ち着きがない,忘れっぽいなど,注意欠陥多動性障害に似た行動,情動的問題に見える訴えをすることがあるという。

子どもの行動面や情緒面の背景に睡眠の問題がある可能性が伺える。

乳幼児期の就床時刻や睡眠時間,生活リズムの不規則性が神経発達や実行機能,問題行動 (恐怖,不安,引きこもり、身体的訴えなどの内在化問題や攻撃, 非行,多動性,癇癪,非応諾性などの外在化問題)に影響するという報告がある。

また、幼児期に夜間の睡眠時間が短いことが,6歳時点での多動と認知機能の低下のリスクになることが報告されている。

幼少期からの夜ふかしの習慣が高じて睡眠障害になると,本来の能力の60~70%程度しか発揮できなくなるという指摘もある。

また,睡眠の質が登園時の挨拶および感謝・謝罪の言葉の状態と関連があることを報告しており,睡眠の質を高めることが心身の安定を生み出し,家庭や幼稚 園・保育所(園)を通しての社会化につながっていくことを示している。

睡眠の心身の健康に関して、大規模調査や心理学実験が行われており、睡眠が不足することによって学業面、心、体の成長に負の影響が生ずることが明らかになっている。

睡眠と心の発達においては、平成26年度「家庭教育の総合的推進に関する調査研究」では、就寝時刻が遅くなるにつれ、『何でもないのにイライラする』と回答する子供の割合が増加し、「自分のことが好き」と回答する子供の割合が低下することが示されている。

睡眠時間と抑うつ・不安の関係を検討した大規模調査では、男子中高生では8.5-9.5時間、女子中高生では7.5-8.5時間の群で、抑うつ症状が最も低く、睡眠時間が7.5時間未満の群では男女ともに抑うつのリスクが優位に高いこと、自分の睡眠の質が良いと感じる生徒は精神的な健康度が高いことが示されている。

生後2 ヶ月から10年間の子どもの追跡調査の中で規則正しい睡眠・覚醒リズムの子どもは,身体機能のリズムが規則的で,食事時間やリズム性が存在し,排便習慣が良好であることや環境適応が容易であったことが示されている。

学童期の睡眠困難の心身への影響については,心理的ストレスに劣らず子どもの不適切な睡眠習慣自体が健康状態に大きく影響することを示し,ストレスに対する耐性をも弱体化させていることを報告している。

また,睡眠習慣が感情の起伏や自己肯定感,自己統制,思いやり行動と関連することも示されており,学校において適切な対人関係を築くためには,適切な睡眠習慣の形成が不可欠である

学童期の睡眠は,初めての学校生活の中で適切な対人関係を築き,望ましい学習経験を積んでいくうえで,重要である。

子どもが学校等で様々なストレスを抱えて帰宅したとしても,子どもの話に親がしっかりと耳を傾けるなどのコミュニケーションを図ることができれば子どもの不安は低減され,その安心感によって眠りに入ることができることを示している。

家庭環境による影響も大きい。

生活上のストレスや仕事での負担が重く, 家族と一緒に過ごす時間がとれないと感じている保護者の子どものほうが就寝時間が遅い傾向があることや, 負担を感じていない保護者の子どものほうが体の調子がよい割合が高いことが報告されており,親のストレスや親の夫婦関係などによる,子どもの生活習慣や心身の状態への影響がうかがえる

中学生対象の調査 で,睡眠の質の高い群は学校に対する親和感情や授業の理解度が高く,登校拒否的感情を持ちにくいこと,睡眠の質の高い群は生徒の日常生活の状態に関係する「日常の肯定的感情」および「将来の夢」を持つ傾向にあり,疲労感・焦燥感・虚無感・倦怠感などの非社会的行動や反社会的行動との関係が考えられる日常の感情を持ちにくく,さらには「しあわせ」「楽しい」などの「ポジティブ感情」および前向きな気持ちや行動につながると考えられる自尊感情が高いことを報告している。

睡眠問題と問題行動の関連については,米国の ノースウエスタン大学の研究者らが行った2~5 歳の幼児約500名を対象とした研究がある。彼ら は夜間の睡眠時間の短縮や1日あたりの睡眠時間の短縮が,子どもの行動チェックリスト(Child Behavior Checklist:CBCL, 養育者が記入する質問 票)で評価される問題行動と有意に関連していたと報告している。

これらの就床時刻の遅延や睡眠時間の短縮などの睡眠問題の慢性化が情動面や問題行動は,幼児期間の問題ではなく将来的にも問題になる可能性を認識しておくべきである。

豊かな心を育てることは、子供自身が生きやすい世の中になり、社会と親交の持てる大人になるだろう。

それが、ストレスへ耐性を強め精神疾患を予防することにつながる。

親は立派な社会人へと育て上げることが務めであり、学力だけではなく心も豊かに育つようにアシストしていくことが必要である。

心穏やかなこどもに育てる、自己肯定感が高い子を育てるためには、乳幼児期からの良好な睡眠習慣が大切である。


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